グロース後記
7月にスタートした今年のグロースも終わった。
あとは、17日のフォローアップを残すだけ。
季節が変わり、あの夏の出来事がずいぶん昔のことのように思えてくる。
ボクが、子どもたちとのかかわりを始めたのは、30年前。
大宮の小学生対象の大宮JCの活動だった。
最初は、まったくうまくいかなかった。
気負っていたし、まだボクも若かった。
必死に、子どもたちをコントロールしようとしていた。
だから、思い通りにはいかない。
集合!と声をかけても、反応するのは低学年だけ。
どんな実習をやっても、手ごたえはなく、子どもたちとのつながりは全く作れなかった。
信頼がない。
あの時の、挫折感や無力感は今でも覚えている。
というよりも、その経験から学んだことが、今のボクの軸になっている。
本気でかかわること
あれこれ考えずに、目の前の出来事に飛び込んでいくこと
子どもたちの力を信じること
ボクにできることは、子どもたちがどうしたいのかを、その心の声を聴き続けることだけだった。
そんなボクと子どもたちとのかかわりに興味を持ってくれた、旺文社の編集者がいる。
山野友子さん。
彼女が手掛けた「学校では教えてくれない大切なことシリーズ」が、ベストセラーになっている。
この、子ども向けのシリーズは、子どもだけでなく、親はもちろん学校の先生たちも愛読していると聞く。
それなら、と言うことで、親向けにも新しい企画で出版することになり、ボクに声がかかったという次第。
「監修をお願いします」と言われ、気軽に「いいですよ」と答えたものの、話しが進むうちに監修と言う役割が、思っていた以上に責任重大だということに気づかされた。
ライターの方や、編集者の山野さん、と何度も何度も打ち合わせを重ね、ついに9月19日に書店に並ぶことになりました。
友だちに仲間外れにされたとか
貸したものを返してもらえなかった、
好きな子と同じ班になれなかった事で悩んだり、
子どもたちは、ほんの些細なことで悩みます。
いや、些細なんてことは言えません。
悩みに大きいも小さいもないのですから。
我が子が悩んでいることが気になると、親は、ついつい介入しすぎてしまうことがあります。
でも、その心配は、子どもにとっては大きな負担。
子どもは子どもで、介入されたことで返って心を閉ざしてしまいます。
おまけに親同士の面倒なかかわりもある。
心配するのは親の仕事、なんていう人もいるけれど、親は親で悩みは多いのです。
そんなとき、子どもにどうかかわればよいのか、と言うボクの経験からのアイディアが、漫画と解説付きで紹介されています。
親と子ども、先生と生徒、悩ましい問題は、そこに信頼が創り出されないこと。
子どもの立場から見れば、信頼できる大人がいない。
グロースでは、好き嫌いはあるだろうけれど、そこには絶対的な信頼関係が築き上げられている。
子どもたちとしばしば、イントラ、サポーター、そして保護者。
ボクが、グロースの原点で学ばされた、子どもとの関わりで一番大事なこと。
「これだけ長く、子どもの心に寄り添ってきて、信頼を創りだしてきているんだから、そろそろ、あなたのその独特なアプローチを世の中に伝えていくことも必要なんじゃないの?」とパートナーである千桂子先生に繰り返し言われた。
その瞬間瞬間で目の前の子どもに飛び込んできた。
その都度子どもたちから学んできたことばかり。
果たして言葉にまとめられるのかどうかはわからないけれど、せっかくなので、この機会に、「親向けゼミナール」を開講することにしました。
カール・G・ユング(分析心理学)は、こんな言葉を残しています。
「子どもたちのことで、何かを直してやろうとするときには、いつでもそれは、むしろ我々の方で改めるべきことではないかと、まず注意深く考えてみるべきである」
親自身の成長があって、初めて子どもの成長に向き合える。
私の経験が役立つのあれば、是非時間を取っていらしてください。
イントラ、サポーター、士幌のオヤジたち、気球の山下さん、士幌高校のみなさん、ロッジヌプカの支配人とスタッフの皆さん、ご理解いただいている保護者の皆様、そして、参加した子どもたち。
今年のグロースも、素晴らしい時間をみんなで創り出せたことを誇りに思います。
長期間にわたるブログをお読みいただき、ありがとうございました。