「自分軸で生きる」 

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秋の学術大会 2編 京都と大阪です。

3年に一度の ICOM 国際博物館会議が、9月1日から7日 京都で開催されました。

テーマは「文化をつなぐミュージアム ―伝統を未来へ―」

 

さらに、9月6日、7日の2日間は、大阪で日本健康科学学術会議。

こちらのテーマは「アート・デザインと健康」

 

昨年依頼があり、この二つの学会に、アートセラピーという立場から、講演やワークショップでの参加を打診されました。

 

エストにとって、また私たちにとってこの上もなくありがたい機会をいただけるわけですから、二つ返事を受諾させてもらいました。

 

約1年も前のことでしたから、気軽に受け止めていたのですが、いざ近づいてきてことの重大さに少々気持ちがざわつきましたが。

 

ICOMでは、世界141の国や地域から数千人が参加します。

京都の美術館関係者が当日券を手にれられないほどの盛況だったようです。

 

ここでは、私が「美術館に期待することは何か?」というテーマでインタビューを受け、その様子は編集されてYOUTUBEで、世界中に配信されています。

(私は日本語で話し、英語のテロップが入っています)

全体で約30分です。

"Expectations to Our Museums" ICOM2019 (ALL MOVIE)
https://youtu.be/Sk2q__-W5jc

 

柴﨑のパートは

Interview - Kazutaka Shibazaki 
https://youtu.be/acEu2JKfzGw

 

私は、このインタビューの中で、クエストが展開しているアートワークカフェの重要性に関連し、美術館でもそのような取り組みをするように提案をしています。美術館を訪れたビジター自身がアートワークできるスペースがあったら、鑑賞だけでなく参加型の美術館に生まれ変わるわけです。

 

この映像には、イギリスで、2年間にわたる調査により、「アートが人々の健康に寄与し、そのことで社会福祉の予算や貧困、教育の問題の解決になっている」という膨大な報告書作成に携わった、レベッカさんの基調講演をしています。

 

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京都国際会議場と、会場内の様子

また、建築家のエドワード鈴木氏、フラワーボックスで著名なニコライ・バーグマン氏、さらにはホスピタルアートの第一人者である近畿大学の森口ゆたか先生が、インタビューに答えています。

 

国際会議の会場は、様々な美術館、博物館関連のブースが所狭しとでており、興味深い展示がたくさんありました。

なによりも、このICOMの芸術への取り組みの素晴らしさに圧倒されました。

 

もうひとつ、日本健康科学学会は、今年で35回目です。

 

千桂子先生は「アートセラピーの現状と挑戦」という演題で約1時間の講演を行いました。

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日本健康科学学会講演

他のプレゼンターの方々も、別のジャンルでありながら、アートがいかに健康に寄与しているのかを報告していました。

 

パネルディスカッションでは、理事長の医学博士の信川益明氏から、柴崎千桂子が実施した、「世田谷一家殺害事件後の取り組み」の重要性とその価値を、先日の登戸の通り魔事件後の対応の不手際と対比して、承認していただきました。

 

アートが健康に寄与する

 

このことが当たり前に認識される時期も、もうすぐなのかもしれません。

 

この貴重な経験と機会を与えてくださった、大伸社副社長 上平豊久様に心から感謝します。

 

今日は、学会でのワークショップです。

もう一仕事!

 

エストも、23年目を迎え、さらに充実した講座と、役立つ現場づくりに貢献していきます。
 

 

 

美術館に専任のアートセラピストがいる?

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ICOM

 

この秋に、国際博物館会議が京都で開催されます。

ICOMという名称で、世界最大の交際的非政府組織であり、141もの国々が加盟しています。

icom-kyoto-2019.org

 

日本で初めて開催されるこの会議では、基調講演として建築家の隈研吾が招かれています。

 

当初、ここでプレゼンを依頼されていたのですが、諸所の事情で、収録したビデオを流すことになりました。

 

フラワーボックスで知られているニコライ・バーグマンさんや、建築家のエドワード鈴木氏などに名を連ねて、私も収録をしてまいりました。

 

インタビューの内容は、YOUTUBEでも配信する予定らしいので、その時にはまたお知らせします。

 

今回、インタビューに向けていろいろと調べ物をしていた時に見つけたのが、専任アートセラピストがいる美術館というネットニュースです。

 

カナダ、モントリオール美術館に数名いるそうです。

 

驚くのは、そのカナダのシステムです。

 

なんと、カナダでは、ドクターが患者さんに「美術館に行く」という処方箋を出すことができるのだそうです。

 

アートに自己回復を助ける力があることを、実践している国があるわけです。

 

英国でも、すでに病院内で、アート、ダンス、音楽、などのセラピーを選択できる環境が当たり前に存在しているようです。

 

英国の登録セラピストである中山美生さんから、そのお話を聞いたときには、驚くやらうらやましいやら。

その先進的な取り組みに、希望があふれました。

 

日本でも、きっといつの日か、誰もがアートを治療として選択することが当たり前になる日が来るはずです。

 

エストでも、「生活にアートを」という願いを込めて、アートワークカフェを展開しています。

 

8月のイベントは、今話題の新国立競技場のすぐ近くで開催されます。

https://artcafe.questnet.co.jp/

 

アートの力を実感する時間を、是非日常の中で味わってみてください。

 

 

令和の夏が、もうすぐ始まる!

グロースセミナーの、下見兼現地各機関へのあいさつ回りに行ってきました。

 

毎年夏に行われるグロースセミナーですが、その前に必ず一度士幌に訪れます。

 

オヤジたちの協力を得ながら、士幌農協、士幌高校、士幌交通、そしてヌプカロッジに、「今年もお世話になります」とお願いに上がるのです。

そして、夜はオヤジたちと飲み交わす。

 

ボクが一年のうちで、オヤジたちとゆっくり話せる唯一の時間です。

 

今年は、第1回のグロースに参加したMICHIYOが同行し、なんと彼女は、今年のグロースにわが子を参加させます。

 

グロース初の2世代目の参加。

 

30年やっているからこそ、こんなすごいことが起きるんですね。

 

さて、当日士幌は土砂降りの雨。

 

挨拶を済ませ、ボクは毎年、「みずならの大木」を訪れます。

 

と言っても、何度かの落雷の末、数年前に倒れてしまう、今はその巨大な体を大地に横たえています。

 

それでも、森は死なず、その幹からは新たな命が空に向かって伸びています。

 

みずならの木は、ボクにとって、おそらく子どもたちにとっても神聖な存在でした。

今年の夏も、この大木までのナイトハイクは実施します。

 

その後には、農村自然公園の中を合羽を着こんで歩いて点検。

 

というのも、森の中の木道は傷みやすく、子どもたちが歩く時の注意点を事前にチェックする必要があるからです。

 

なんと、その雨の中、木道整備の方々が修繕をしていました。

 

知り合いではありませんが、毎年この場所を歩かせていただいているNPOです、と声をかけると、

 

「夏に子どもたちが来るというので、それまでに修理を終えておきます」

 

ありがたいお話です。

ボクたちのために?準備が進んでいるとは。

 

オヤジたちとの飲み会では、毎度オヤジたちの熱い熱いグロースへの愛情を受け取ります。

 

「しばちゃん、しっかりやってよ、今年も!」

 

何よりのお言葉です。

 

富さんは70歳を超えました。

 

貢さんも60代後半。

 

ボクとオヤジたちの高齢化は避けられないものの、気持ちだけは何も変わらずに、子どもたちへの愛情を熱く語り合いました。

この人たちがいなければ、グロースはここまで続けることは出来なかった。

 

今年も、素晴らしい体験ができるように、準備が始まった!

 

カラダの準備も始めなければ!

 

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士幌農村自然公園 入植以来の原生林

 

 

 

 

 

『評伝 昭和の女傑 松田妙子』

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『旺盛な欲望は七分で抑えよ』


手元に一冊の本がある。

 

先日、「お別れの会」で頂いた。

 

松田妙子氏の評伝である。

 

昭和を生きた、いや未来を作り出したと言ったほうが間違いない、女傑。

 

この本は読み始めたばかりだけれども、お付き合いはもうかれこれ10数年になる。

 

アートセラピーは、日本では正式な資格として認められていない。

どこのスクールも、自分で認定を出すことぐらいしかできないし、クエストも当初はそうだった。

 

当時、文科省の外郭団体だった(現内閣府所管)、生涯学習開発財団の理事長であった松田妙子氏から、

アートセラピー、いいじゃない、がんばりなさい」

という言葉をいただき、財団の認定を出していただけることになった。

 

豪快で、歯に衣着せずに発する言葉は、時に厳しく時にやさしさのあふれたものだった。

 

アートセラピーは、現代人のストレスケアにとても役立って、、、、」

と言いかけると

 

「 Stress !  What !  ストレスの何がいけないの?ストレスは生きていくのに大事なのよ、ストレスを悪者にするのは許さないわ!」

 

90を間近にした女性とは思えないほどに、ピシャっと言い放っていた。

 

92歳になる今年、お元気なまま、ご本人の言っていた通りに「ピンピンコロリ」で、あっという間に旅立って行った。

この世でのお役目にけりをつけたのだろうか。

 

先日のお別れの会には、会場から人があふれるほど。

献花台の遺影は、今すぐにでも何かを話し始めそうだった。

 

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若かりし頃の理事長。まさに才媛。

 

戦後まもなくアメリカにわたり、大学卒業後に米NBCに勤務し、プロデューサーとして辣腕を振るう。

 

まだ、女性が働くこと自体がまれだった時代の、昭和30年代の話だ。

 

帰国後は、日本の住宅建築に一石を投じたツーバイフォーを普及させ、エイジレスの課題に取り組むために「生涯学習開発財団」を設立した。

 

現在放映中の大河ドラマ「いだてん」に登場した、大森兵蔵と安仁子は、彼女の叔父と叔母である。

 

数々の功績を残し、藍綬褒章昭和天皇から授与されている。

 

もう、理事長にはお会いできないけれども、ボクの耳にはいまでも声が響き残っている。

 

「いいじゃない、しっかりおやりなさい!」

 

理事長、ありがとうございました。

 

合掌

 

 

 

 

 

読み終わりたくない本

読み始めて物語の終盤に差し掛かって、もうすぐ読み終えてしまうさみしさを覚える時がある。

 

物語の世界にたっぷりと入り込み、その世界の住人の考えや感情に共感し、あるいは反発しながら読み進む。

 

久しぶりに文庫上下巻を一気に読み終えた。

 

蜜蜂と遠雷恩田陸

物語はピアノのコンテスト。

 

超絶技巧のピアニストたちがしのぎを削る。

 

クラシック音楽に詳しくないのだけれど、読みながら、その音楽に触れたくなる。

 

YouTubeを酷使して、登場する楽曲を検索しては、にわかクラシックファンになる。

 

第1次予選、第2次予選、第3次予選と、登場するピアニストたちのコンテストに賭けるそれぞれの思いに触れながら、数百年前の音楽に触れる。

 

バッハ、ショパンラフマニノフドビュッシー、リスト、チャイコフスキープロコフィエフなどなど。

 

以前にも、高校のブラスバンドを舞台にした『楽隊のウサギ』中沢けいに、涙したことがあるのを思い出す。

 

庄野英二の『星の牧場』では、読みながら聞こえないはずの音楽が聞こえてきた。

 

でも、『蜜蜂と遠雷』のスピード感と迫力にボクはすっかり魅せられてしまった。

 

出会いは、書店。

直木賞本屋大賞の両方を受賞したということで、平積みどころかひと島まるごと、これでもかっていうほどに、この上下巻で埋まっていた。

 

音楽はもともと大自然の中ににあったもので、知らないうちに人間の社会の中に閉じ込めてしまった。だから、音楽を外に連れ出す、という登場人物の言葉は心に残る。

 

物語は、本当に心を豊かにしてくれる。

 

本を読んでいる時間が好きだ。

「ヨイショッ!」の考察

どうでもいい考察です。

 

立ち上がろうとするとき、

重い荷物を持ち上げようとするとき、

精いっぱいの力で何かをしようとするとき、

「ヨイショッ!」

「ヨッコラショ!」

 

と、一声かけることは誰にでもある。

それも、言おうとしているわけじゃなく、自分の口をついて、つい出てしまう。

 

気を付けて一日を過ごしていると、結構使っていることに気付く。

 

でも、最近おかしなことに気付いた。

 

おおむねこの「ヨイショッ!」「ヨッコラショッ!」は、力を入れる時に使うのが普通だ。

 

若かったころに、使えば、

「おじさん、おばさんみたいだ」とか、「年より臭い」とからかわれた。

 

最近耳にするのは、たとえば、近所のコンビニの、レジ打ちのアジア系の男の子。

コーヒーの紙コップを取るときに「ヨイショッ!」

タバコを取るときにも「ヨイショッ!」

 

つられて、隣の女子もレンジの扉を開ける時に「ヨイショッ!」

 

打ち合わせでよくお会いするIT系の方も、ノートパソコンのキーボードを打つたびに、

「ヨイショッ!」

 

最近では、「オッショッ」とか、「ヨイサ」なんて言うのも、耳に飛び込んでくる。

 

どうやら、最近は、特に大きな力入れる必要のない時にも、

「「ヨイショッ!」は、使うようだ。

 

ためしに、耳をそばだてて、自分も何度も言っていることに驚いてほしい。

 

宅配のお兄さんが差し出す受領書にハンコを押すときに「ヨイショッ」

ついさっきも、このブログのページを開くときにマウスを操作しながら「ヨイショッ」と口に出てしまう。

 

以上、くだらない独り言でした。

 

それではそろそろ「公開ボタン」を

ヨッコラショッと。

 

 

同窓会

連休最後の5月6日。

 

30年前に始めたグロースセミナーの同窓会があった。

 

子どもたちの自立のためのセミナーを、大自然の中で、、、、

そんな思いをもって、30半ばで思い立って始めた。

 

長く続けようと思っていたわけじゃないのだけれど、毎年毎年多くの人たちのボランティアと一緒に繰り返していたら、気づいてみたら30回目の今年を迎えた。

 

普通の同窓会は、年を重ねた同年代が集まるのだろうけれど、グロースの同窓会は、年齢が様々。

 

昨年初参加の1年生もいれば、自分の子どもを今年参加させるOBもいる。

変わらずにいるのは、士幌のオヤジと長ーくかかわり続けてくれているスタッフ。

 

当日は士幌のオヤジや、留学先のNZにいるOB、福島からの参加者たちともオンラインでつなぎ、60人以上集まってワイワイガヤガヤ。

 

長年関わり続けてくれているNが作成してくれた30年分のスライドショーは、感慨深かったなぁ。

 

いろんなことがあって、数えきれない感動があって、たくさんの子どもたちの本気のチャレンジがあった。

それを支えるスタッフや士幌のオヤジたちの熱い熱い想いがあった。

 

そして、そのすべてを受け止めてくれる十勝の大自然が変わらずにある。

 

30年分をかんたんに語ることはできないから、ボクにできることは、今年のグロースも、子どもたちと真剣に向き合おうという新たな決意だけ。

 

グロースは、いつも「本気」を呼び起こしてくれる、ボクにとっても大切な時間なんです。

 

からだもしっかり、作らなければ!

 

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30年分の歴史