『浮世の画家』カズオ・イシグロ
ネットで本を探すことに慣れてしまったけれど、たまには本屋さんをぶらつくのもいい。
実際に手に取って、パラパラとページをめくり、あまり内容を吟味しないままその感覚を頼りに購入する。
活字を読むのは、ボクにとって日常であり、物語の世界に入ることで、自分の中の知性や非現実世界への扉が開かれていくような感じが大好きだ。
数冊を購入し、その中の一冊が、この『浮世の画家』
カズオ・イシグロは、一昨年のノーベル文学賞を受賞した英国の作家。
英国に国籍を移した日本人である。
『忘れられた巨人』については、以前ブログに書いた気がする。
ファンタジー好きなボクとしては満足のいく作品で、なんとなくこの『浮世の画家』もそんな期待をうっすらと抱いていた。
カズオ・イシグロは、時代も場所もあいまいな作品をが多いとされているけれど、これは日本の戦前戦後を生きた画家の話だった。
戦争中に翻弄された消し去れない過去の自分と、それでも新しい時代迎え生きていく引退した画家の物語は、妙に自分を重ねてしまう。
現実をどの様に受け止めるかによって、その現実が美しくもあり醜くくもある。
それをどう表現するのかは、完全に芸術家にゆだねられている。
でもこれは芸術家だけではないだろう。
日常を生きる我々にとっても、今目の前の現実を、たとえ隣人と同じ現実を見ていたとしても、その現実の価値は、それぞれ違うのだ。
言い換えれば、自分自身の過去についても、その過去を光の中のものとするか闇の中に置いてしまうのかは、自分次第なのである。
ボクにとっては、少々深い主題の作品だったから(3月に渡辺謙主演でドラマになるらしい)、次に手に取る作品は、軽いものにしてみようと思う。
親ゼミ「承認」
昨年始めた月1回の「親ゼミ」
回を重ねて4回目となりました。
今回のテーマは「承認」
子どもを承認することは、褒めることとは少し違います。
クエストや子ども未来のクラスでは、この「承認」をとても大切にしています。
人を認めること、もちろん自分のことも認め、お互いを認め合う関係を創りだしていきます。
親子の場合は特に。
褒められると、脳内の快感物質ドーパミンがあふれ出ます。
その快感をまた味わいたくて、同じ行動をする。
それをすれば褒めてもらえる、わけです。
子どもをしつけるためにも、世の中の常識を教える上でも「ほめる」ことは大事です。
「ほめて育てろ」とよく言われるゆえんです。
でも、褒めてもらうための行動の基準は自分ではなく、お母さんの目や先生の評価になってしまいます。
最初は、ただしたくてしていたことなのに、褒められたくてすることになる子どももいます。
自分軸を作って自立させたいのに、それでは逆行してしまいますね。
そこで、この「承認」です。
えらかったね、
がんばったね、
すごいね、
さすがだね
などなど、評価するほめ言葉はいくらでもあります。
その子が、自分の内側に自分を信じる力を育て、お母さんからのたっぷりの愛情の貯金をしていくための言葉、それが承認です。
昨日は参加したお母さんたちに宿題を出しました。
・夕飯の食卓で学んだ承認の言葉を伝えてみること。
・子どもが寝る前に、承認の言葉を伝えてあげること。
お母さんたち、普段の言葉がけについて反省モードの方もいたけど、子どもを愛する気持ちには変わらない。
だから、きっと、たどたどしく伝えていたことでしょうね。
そのことを思い浮かべるだけで、笑みが浮かんできてしまいます。
昨晩は、たくさんの愛と平和が創り出されていたはずです。
次回は、「描く力~ビジョン」です。
https://questnet.co.jp/quest-self/self-method-oya/14686/
おやおや、親ってなに?
「二度とやるんじゃねーぞ、わかったか。今度やったら、もう捨てるからな」
これ、つい最近街中で聞いた子どもに怒鳴る親の声。
激しい言葉で驚きました。
おかあさんが、おそらく4‐5歳の子どもに向かって怒鳴ってたんです。
その男の子は、片手に、おもちゃの電車を持っていました。
おかあさんに、その電車を取り上げられ、この言葉で怒鳴られて、烈火のごとく泣き叫んでました。
何があったのかはわかりません。
ボクは、その脇を歩いて通り抜けたのですが、ずいぶん離れてもまだその子の泣き声は聞こえていました。
親も、大変です。
わかります。
ボクも何度もまだ幼い娘たちを、まるで脅すように怒鳴ったことが。
その時その時で、親も精いっぱいです。
ホントは怒りたくないんです。
でも、でも、誰も幸せじゃないですよね。
ボクもなんだか切ない気持ちでした。
ほんのちょっと、ボクたち親に余裕があれば、
ほんのちょっと、大目に見てあげることができたら、
ほんのちょっと、しゃがんで、子どもと目をあわせて話せたら、
ほんのちょっと、自分も小さいころおんなじだったことを思い出すことができたら、、、、
昨年から、「親ゼミ」やってます。
熱心なお母さんや、関心のある人たちが学びに来てくれています。
子どもの幸せを願うのは誰もが同じ。
子どものために勉強するんですから、頭が下がります。
子どもが幸せな人生を生きてもらいたくて学ぶんです。
でも、結局、子どものためと言いながら、親が、親自身が自分を成長させる学びをしていることが一番大事なんですよ、
子どもの成長を願う前に、自分も成長させなきゃ、、、ですよね。
親ゼミ、月に一回いろんなテーマでやっています。
クエストのスタジオですから、定員はありますが、数席はまだ空いてます。
2019年の1月のテーマは、「承認」
自分を認め、お互いを認め合う心を育てるための言葉がけをしっかり学んでいただきます。
一番大事なテーマと言えるかもしれない。
今回は、終了後、「教育としてのアートセラピー」に関心のある方に向けた説明会も予定しています。
1月23日(水)です。
お待ちしていますね。
申し込みはこちら。
https://questnet.co.jp/request/
2019年あけましておめでとうございます
平成最後の正月を迎えました。
昭和の元号が変わるときのことは、まだ記憶に新しい。
大正、昭和、平成と3つの元号のもとを生き抜いた母がすごいと思っていた。
だから、まさか自分も3つ目の元号のもとで生きることになるなんて思いもよらなかった。
4月1日に発表されるようですが、さて、どんな元号となるのでしょうね。
昨晩は、12:00を過ぎて、毎年の恒例ですが、目黒不動尊へ新年のご挨拶へ行って参りました。
例年は、うなぎの西村まで長い列が伸びているのに、どういうわけか、今年は参拝客が少なく境内に入ってからの行列。
それでも、本堂の中は、押し合いへし合いで、ゆっくり参拝できる状態ではなかったけれど。
また、新しい一年が始まりました。
新たな気持ちで、日々を感謝しながら生きていきます。
皆様にとって、良い年となりますようにお祈り申し上げます。
「まっすぐに晴れ晴れと」の一年
「まっすぐに晴れ晴れと」
これは、2018年の年賀状に書いた言葉。
この言葉通りに、今年一年、どれほど生きることができただろうか。
スケジュール帳を開いてみると、相変わらず、ぎっしりとスケジュールが書かれていて、空白の日がほとんどない。
毎日を忙しく過ごしたけれど、まじめに仕事をし、その仕事を楽しみ、プライベートも面白おかしく過ごしてきた。
体調を崩すこともなく、年を超えることができそうだ。
気持ちは「晴れ晴れと」とは、いかないことも多々あったけれど、年の瀬に、スタッフと酒を酌み交わし、恒例のカラオケで大声を出して発散し、すっきりと仕事納めができました。
2019年は、年号が変わり、消費税増税もある。
何が起きるのかわからない世の中だけれども、自分の軸をしっかり意識して、新しい年を迎えようと思います。
皆様も、どうぞ良い年をお迎えください。
一年間、ありがとうございました。
モノクロームの世界~玉掛寫眞館
ボクの家の仏壇には、20数年前に亡くなった父の遺影がある。
ロスに行ったときに、スタジオで撮ってもらったらしい。
モノクロで、ボクが大好きな写真である。
いつかモノクロの似合う年齢になったら、誰かに撮影してもらおうとかねがね思っていた。
高校の美術の教師がいる。
彼はかつて、人にかかわることがあんまり得意ではなく、自分と向き合いながら、ものづくりをするプロダクトデザインの仕事をしていた。
ある日ひょんなきっかけから、人に寄り添いかかわることができる自分出会った。
そしてそれが自分の好きなことだと気づいた。
教師になりたいと一念発起し、今は高校の美術の教師をしている。
毎日、放課後に生徒の作品に寄り添い、指導し、一人一人の中に眠る才能を導き出している。
その傍ら、生徒たちの写真を撮るようになった。
モノクロームで。
その写真を見る機会が何度かあって、いつか彼に是非を撮ってもらいたいと思っていた。
先日彼のスタジオ兼自宅のある埼玉の蕨で、撮影してもらった。
とてもあたたかな秋晴れの日で、富士山を眺めることのできるウッドデッキのある素敵なスタジオだった。
そして、昨日、その作品を届けていただいた。
ワクワクしながら、その作品を見て、ボクは本当にうれしかった。
自分の姿をほめるようで心苦しいけれど、でも、心から満足する作品に仕上げていただいた。
玉掛さんが手間をかけて現像してくれた。
これはその作品ではなく、データからプリンターで焼いたものだけれども、みなさんに見ていただきたい。
久々に、自慢、です!
どうよ、いいでしょう!!
ちなみに、玉掛寫眞館で撮影をしてほしい人は、facebookのこちらまで。
https://www.facebook.com/tamakorox/