「自分軸で生きる」 

誰だって自分を知る旅の途中 だからこそ自分を知ることの楽しさを伝えるブログ

第30回グロースセミナー4日目その4

子ども未来研究所にはビジョンがあります。

 

「子どもたち一人一人が自分を認め、お互いを認め合う世の中を創り出していく」

こと。

 

「認める」「認め合う」と言うことの意味は、単にその子をほめることとは違います。

 

「ほめて育てる」のはよく知られています。

 

ほめることは、

親が子どもを、

先生が児童を、

先輩が後輩を、

上司が部下を、

と言った、目上の人が目下に対して与える評価。

 

「えらいぞ」

「よくやった」

「すごい」

「いいねぇ」

 

でも、同じことをしても、人によっては褒めてもらえないこともあります。

「ダメじゃないか」

「それはよくない」

「全くできてない」

などなど。

それは、人にはそれぞれの価値観があって、その価値観にあっていればほめてもらえるし、あっていなければほめてはもらえないから。

 

だれだって、ほめられれば気分はいいでしょう。

脳科学者の茂木健一郎さんによると、ほめられると、脳内のドーパミン(脳内の快感物質)がどっと溢れるらしい。

だから、ほめられると気持ちがいいから、またほめてもらいたくなる。

反復運動が始まるので、しつけにとてもいいというわけです。

 

こうやって、よい行いや、よい考えを増やすことで子どもを育てていくのは理にかなっています。

でも、ひとつ懸念があります。

子どもは最初は、ほめられたくてしたわけじゃなかった。

自分が「したくてしていたこと」をほめてもらえたことで、その快感を得るために「ほめてもらうためにすること」になってしまうことです。

お母さんに喜んでもらえればさらにうれしいですからね。

 

つまり、行動や思考の基準が、「自分」から「他者(親や先生、目上の人)」になるということ。

これは実は大変なことです。

 

ボクが、30代に入るころまで、ずっと基準は「自分以外」にありました。

そのことでたくさんほめられることもありましたが、自信はいつまでたっても身につかない。

そりゃそうですよね。

自分に基準がないわけですから。

自立する、と言うことを、何でも一人でできる様になること、と考えていましたから、評価の得られないことは次第にできなくなってしまうのです。

 

自分軸を創る、

これが、グロースの大命題です。

 

だから、繰り返し

「おまえはどうしたいんだ?」

と、子どもたちに問いかけていく。

「どうしたらいいですか?」ではなく、「自分はこうしたい」と発言するようになるためには、「ほめる」のではなく「認める」ことが大事だと考えるのです。

 

この認めるということを、グロースでは「承認する」と言う言い方をしています。

 

前置きが長くなりましたが、4日目最後は、キャンプファイヤーを囲んで、この「承認」の時間です。

 

ラストイヤーのAST、YK、TKH、3人が点火。

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キャンプファイヤー

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火を囲んで全員が座り、チームのイントラが子どもたち一人一人を順番に承認していきます。

夜空には満天の星。

夏の大三角形も、白く帯状に流れる天の川も、はっきりと見える。

 

暗闇に燃えるキャンプファイヤーの炎が、子どもたちの顔を優しく照らします。

 

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承認の時間

イントラは、4日間その子と行動を共にして、感じたことを丁寧に伝えていく。

 

一つ一つの言葉に、笑みが浮かんだり、時には涙が浮かびます。

 

最後にボクが、

「〇〇と一緒にグロースに来て、うれしかった人―!」

 と聞くと、

 

「ハーイ!」

 

子どもたち全員の声が高原に響き渡ります。

 

あたたかで、やさしくて、4日間をやり遂げたお互いを認め合う、とても素敵な時間です。

 

最後に、イントラ、サポーターたちからもひと言ずつ。

「グロースを愛しています!」

「一生、サポートし続けるから!」

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貢さん、冨さん、本当にいつもありがとう

士幌のオヤジの貢さんと、富さんの、このグロースへの純粋で、ものすごく熱い想いに、思わず涙してしまう。

 

最終日の明日は、早く起きて帰り支度。

 

そしてその前に最後の実習。

 

明日が最後のブログです。