第30回グロースセミナー2日目その3(8月1日木曜日)
山登りの後は、遅い昼食の後、上士幌まで移動して温泉に浸かる。
山歩きをすると、ヤマダニに食われることがある。
ボクも何度もやられたことがあるけれど、頭を肌に食い込ませたヤマダニを取り除くのは厄介な作業だ。
全身をチェックするためには、温泉の大浴場に入るのが一番。
そして、温泉に行く準備をするための時間を決める時のこと。
20分で準備をするという意見が大半を占める中で、ひとり25分と言い続けるHRT。
すると、20分を主張するメンバーの中から
「なぜ25分がいいのか?」と質問が出る。
HRTは、特に答えることもなく25分を言い続ける。
「答えてくれなきゃわからないから、教えて」と質問が続く。
こういうケース、皆さんならどうしますか?
学校や、何かの集まりでは、大多数の意見が尊重され少数意見は説得されるかねじ伏せられます。
20分を主張する多数VS、25分を理由も言わずにいるひとり。
どう見ても、25分が劣勢です。
でも、じゃんけんや、多数決をやらないグロースでは常に、それぞれの意見が尊重されます。
しばらく様子を見ていましたが、中断。
「ちょっと待て。今の様子は、25分と言っているHRTをみんなで説得しようとしているように見えるけど、違うか?
よく見ていると、“20分”と、はっきり言っているのは4〜5人で、それ以外は、うなづくか黙ったまま。
HRTが25分と言っているときにも何も言わないし、自分から理由を聞こうともしていない。
そもそも、なぜ、25分である理由を聞きたいなら、自分たちが言う20分の理由はどうなんだ?
なんだかフェアじゃないような感じがするぞ。
そもそも、黙っままでいるやつもフェアじゃない。
ここは、自分の意見を言う場所で、それを練習する場所だ!
はい、時間を決めろ!」
こういうかかわりをするから、何かと決まるまで時間はかかってしまう。
プログラムをスムースに進めることが目的なら、大人の判断で前に進ませる。
でも、ここはグロースセミナー。
子どもたちが、自分で決める場所、
そしてそれを総意で決定することを練習することが一番の目的だ。
まどろっこしいけれども、この繰り返しをしながらすこしずつ自立の道を歩んでいく。
だから、子どもたちが、考えて、試行錯誤して、そのうえで決定することを大切にする。
そして、彼らが決定したことは、よほどのことがない限り尊重していく。
結局、何分で準備するのか、メモには残っていないので忘れてしまったけれど、全員で決めてから、上士幌(朝ドラの「なつぞら」のロケ地)の「しほろ温泉プラザ緑風」までバス移動。
出発前にRKの体温を測ると、39度1分
温泉に行くか、休むか、RKに、念のため決めさせる。
様子を見る限り、もし「行く」と言ったら、ボクからはNOを言おうとは思っていたけれど、RKは何とか頑張ろうとしていたけれども、自分で「休みます!」と宣言して、ロッジの残ることに。
ヌプカに残るサポーターにRKを託し、ボクたちは出発した。
温泉でゆっくりと山登りの汗を流し、からだのチェック。
今回は、無事、ヤマダニ被害はいなかった。
今夜は、もう一つプログラムが残っている。
温泉から、上士幌の滑走路まで移動する。
子どもたちが興奮する、熱気球だ!
続く