第30回グロースセミナー1日目その2
チーム名のテーマは「不思議な生きもの」
テーマは、その時のボクのひらめき。
自然の名前、動物、空の生きもの、食べ物、いままでもいろいろなテーマでチーム名を決めてきた。
子どもたちは、いつも想像を超えた面白い名前を考え出す。
そして、今回は、、、、
わらいどり
モササウルスネッシー
グロースオラフ
冒険かじり虫
いつも子どもたちの発想の豊かさに驚かされる。
もちろん、このチーム名を覚えなければならない苦労もあるのだけれど。
昼の弁当を食べた後は、チームごとに森に入っていく。
カシワ、ミズナラ、ハンノキ、ハルニレ、ヤチダモ、などなど、開拓以前からの木々が群生している。
岐阜の美濃市から開墾の一団が士幌の地に入植したのが、120年前のこと。
この原生林はその時にも手をつけることなく、そのままの姿で残されている。
士幌も、東京と変わらず長雨と冷夏から、突然の猛暑に襲われていた。
それでも、森の小道にはいれば、その熱さも和らいでいる。
木立からは抜けるような空が見え隠れし、
小鳥のさえずりや、木々の葉が揺れる音が、心を浄化してくれる。
森の中は、非日常空間だ。
特に都会に住んでいるボクたちにとって、森の中に入ることは、それだけでイマジネーションが広がっていく。
むしられたような羽が散らばっていれば、キタキツネにやられた鳥がいたことが想像されるし、いろんなカタチや大きさの糞は、その森にすまう動物たちの存在を気配を感じることになる。
答えがいつもすぐそこに在るような現代社会において、イメージすることはますます重要になっていく。
子どもだけじゃなくて、大人のボクたちにとっても。
森に入るときに、子どもたちに課題が二つ与えられる。
森の中には、進路の案内や樹木の名前が表示されている。
毎年、低学年にそれを覚えて帰ってくる、と言う課題。
そしてもうひとつは、森の中にある蕗(ふき)の畑の様子を、チームで身体表現するHABITAというネイチャーゲームだ。
これは今夜の食事の後で発表をする。
各チームは工夫を凝らして、まだ記憶することに慣れていない1年生に木々の名前や案内板の文字を覚えさせている。
歌にしたり、頭文字で覚えさせたり。
ふき畑の前でも、何をどう表現するのかチームで相談しながら練習する。
こんなことを森の中でやっているうちに、ごく自然に、まだ出来上がったばかりのチームのつながりが深まっていく。
コミュニケーションをとったり、協力することで、名前を覚えたりお互いを知る機会になっていく。
森から帰ってきたチームの順番に、その課題の発表をさせる。
ボクの前に低学年の二人が座り、その後ろでチームが心配そうに見守る。
すらすらと覚えてきた言葉が思い浮かぶ子どももいれば、二つくらい答えてあとは真っ白になってしまう子どももいる。
1年生2年生のワクワクしながらも思い出せないもどかしさで体をくねらせる姿に、思わず笑みがこぼれてしまう。
後ろに控えているリーダーをはじめとするチームの面々の心配そうな様子は、チームを作ったばかりとは思えないつながりを感じさせてくれる。
全チームの発表を終え、15:00。
ヌプカの里に、バスで移動。
到着後、すぐにロッジの長瀬支配人に挨拶を済ませ、荷物を部屋に置く。
必要な着替えや持ち物を指示してから、高原のてっぺんで集合。
今夜のテントサイトだ。
子どもたちの何人かでお米を研ぎ(米を流し台に流してボクに叱られながら)、士幌のオヤジ富さんの起こした炭火で飯盒炊爨。
後は炊けるまでの間に、子どもたち全員でテント張りだ。
テント張りも時間を決めてやる実習のひとつ。
全員で協力しながらひと張りひと張り丁寧に張っていく。
その間に食事チームのスタッフは大きな寸胴で豚汁を準備。
待ちに待った食事の準備が整ったら、全員で「いっただきまーす!」
子どもたちと、次第に夕闇が迫ってくる高原で食べる飯は、本当にウマイ!!
ところが、初参加1年生のRKの様子がおかしい。
昼から少し発熱したのだけれど、いよいよ具合が悪くなってしまったようだ。
食事もそこそこにベンチに横になっている。
続く