「自分軸で生きる」 

誰だって自分を知る旅の途中 だからこそ自分を知ることの楽しさを伝えるブログ

グロースブログ まずはリートレから。その1

すっかり秋めいてきました。

 

今年の夏を思い出しながら、30回目のグロースセミナーを振り返ります。

今年もいろんなことがありました。

 

心待ちにしていた皆様、遅くなりましたが、すこしずつ公開していきます。

 

 

 

 

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2年に一度のリーダートレーニング。

今年のグロースは、このリートレから始まりました。

リートレは、グロースのリピーターで、中学2年生以上が参加できる、2泊3日のトレーニング。

グロース本隊を迎えるまでの2泊3日。

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士幌高原ヌプカ

 

ボクが、以前企業研修などで提供していた、大人向けのトレーニングを、思春期の子どもたち向けのリーダシップトレーニングに手直しをしたものだ。

 

*初めて読む方、グロースセミナーは、小中学生対象の「自立のための野外体験学習」です。北海道十勝にある士幌高原で、毎年夏に行われているキャンプ実習です。

http://www.cof.or.jp/hokkaido_growth/

 

参加者はAST、TKT、YKの中3男子3人と、中2女子のMKの計4人。

 

このリートレの目的は、

青春期を目前にした彼らが、これから高校、大学進学や社会人になっていくうえで、「自分」という存在にしっかりと向き合ってもらうため。

多くの人のためのリーダーになるというよりも、自分という人間のリーダーになっていくためのトレーニング。

 

まずは、「リーダーって、何?どんな人?」と、彼らが持っているイメージを問いかける。

ありきたりな、人をまとめるとか、引っ張るとか、そんな一般論ではなく、彼らなりに描くリーダー像をきちんと言語化することから始める。

当然、正解はないから、自分の考えをひねり出さなければならない。

 

「人がついてきてくれるように、楽しい場を作れる人」

「まとめるだけじゃなくて、楽しむ場を作る」

「まとめるのも大事。自分も楽しくてみんなも楽しめる」

「自分の考え、行動についてくるような人」

 

彼らなりに考えて紡ぎ出した言葉。

これを、ボクは、あれこれ正すつもりはまったくない。

大事なことは、これをこのリートレで実践し経験をしていくこと。

「言っていることと、それを生きること」を学んでほしいのです。

そのうえで、また自分なりのリーダー像が生まれていくはずだから。

 

世の中の、既成概念や、一般論ではなく、自分なりの考えや実践を経験する場がグロース。

そのための環境を提供していくのがボクの役割です。

 

そんな中で初日の夜のこと。

さっそく、彼らにとっての大きな学びの瞬間が訪れました。

 

リートレでは、食事は自分たちで作ります。料理が得意だ、というメンバーもいて、4人で楽しく通り始めた。

ボクと同行している千奈の分を含めて6人分。

 

しばらくして、様子を見に行った千奈から、

「4人に何かあったらしくて、YKが料理をせずに部屋にこもっている」と。

 

グロースでは、何かしらの問題が起きたときにこそ、大きな学びを得ることが多い。

 

さっそく料理部屋に行って確認。

「YKがいないけれど、何があったんだ?」

すると、3人は神妙な顔つきで説明を始める。

「YKが、自分も料理を作りたいと言ったんだけど、軽い冗談?を言ったことで、YKが機嫌を損ねてしまったらしい。」とAST。

謝りにも行ったけれど、

「食事はいらない。次のトレーニングが始まったら参加するからいい」と言われたとのこと。

 

ボクはさっそくYKを呼び、4人全員からヒアリングをする。

 

勝手な解釈や憶測を避けるために、全員の前でひとり一人から聞きます。

でも、それは原因探しをすることが目的ではありません。

誰が悪くて、誰が間違えているのかは全く関係がないのです。

 

大事なことは、今まさに起きていることが、自分たちの欲しい状態なのかどうかに気付くこと。

彼らは、それは欲しい状態ではない、と言う。

そうなると、一般的には、「じゃあ、どうすればよかったのか」という反省モードの話になりがちだけれども、グロースでは、「本当はどうしたかったのか」を考えてもらいます。

 

YKは、「自分も料理を作りたかったのに、お前は必要ないと言われて、、、」

ASTは、「軽い冗談のつもりで言って、YKが怒ったから謝りに言ったけど、、、」

すかさずYKは

「サッカーボール蹴りながら謝っても許せるわけじゃないじゃないですか!」

 

こういうケースだと、

「原因」追究。

たとえば、ASTの軽い冗談と謝り方。

ありがちなのは、原因を作ったASTに謝罪をさせる。

さらには、途中で料理を放棄したYKにも反省を促す。

残りの二人にも、何かできたことがあるだろう、と考えることを促す。

これで一件落着。

握手でもさせればそれでおしまい。

 

でも、これでは、学びにはなりにくい。

グロースでの学びは、いい悪いを見つけることではないし、反省させたり悪いと言う点を改善させるためでもない。

 

実は、ちょうど料理を作り始める前のトレーニングで、大事な学びを彼らはしていました。

何かを目指すときに、「そのチームのつながりが、結果を作り出す」ということ。

言い換えれば、チームのつながり度合いの、そのままの結果として目の前に現れるということだ。

 

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実習をやり遂げた達成感

どれだけ、本気で向き合い、お互いを認め、ビジョンを共有し、与えあうかかわりであるのかどうか。

うまくいかなかったときに、その原因を探すのではなく、あらためてチームのつながりにきちんと向き合ってみるということ。

 

4人にとって、お互いに向き合い、真のつながりを作り出していく、とてもいいチャンスが訪れたのです。