「子どもが自立していくための関わり方、育て方」
わが子を「自立した人間に育てたい」、と、多くの親は当たり前のように思う。
「自立」と言うのは、誰かに頼ることなく何でも自分で物事を決め、行える、ことを言う。
でも実際生きていて、自分一人で物事を行うことなんて、大人だって難しいことはわっている。
何でも自分だけで頑張っているうちに、気づいたら孤立してしまうことだってある。
結局、何をもって「自立」と言うのか、その定義はいたって曖昧だ。
「おまえは自立しているのか?」と真正面から聞かれたら、この年になってもはっきりとは答えられないかもしれない。
そして、その自立の対極にあるのは、「依存」。
誰かがいないと存在が成り立たない状態をいう。
それでいて、助けてほしい時に声を上げられず、助けを求めることもできない。
自分はそんな人間ではないと思いたいし、そんな人間には、なって欲しくないと誰もが思うだろう。
両親は他界しているものの、「今だに依存していることはあるだろう」と突きつけられれば、ボクにも思い当たるところはいくらでもある。
それでは、自立した子どもに育てるには?
これは、簡単なことではない。
そもそも、自立しているかどうか疑わしい親や教師だってたくさんいるのだから。
子どもだけでなく、自立した人間に育つ上で、かかわり方に役立つ大事なポイントは二つ。
「問いかけ」と「承認」
問いかけは、質問とは違う。
人と人の心をつなげていく魔法のようなコミュニケーションスキル。
判断もないし、決めつけもない、ましては誘導もない。
本人が、自分で考え、自分で決断していく心を育てていく。
先生の言うことをよく聞くように、とか、親の言うことは絶対だ、という言葉が通用するほど、誰もが認める価値観を持つ大人は現代社会には、なかなか見当たらない。
この問いかけは、問いかける側の心の在り方がとても重要になってくる。
そして、もうひとつの承認は、自己肯定感を高めていく。
自信が欲しい、と多くの人が言う。
目には見えない自信を追いかける前に、どれだけ自分を認め、自分を肯定している感覚を持っているのか。
自分を信じる力、これが文字通りの自信。
承認は、自分が尊重され、評価や判断のない、自分らしさを認めることにつながる。
ありのままの自分が好きだという人もいる。
もちろん、それはそれでいいのだけれども、そのままの自分、では成長がない。
ありのままを受け入れたうえで、自分を高めていく努力は重要だ。
この承認は、承認される人の心を育てるだけでなく、実は承認する側の心も育てていく。
この「問いかけ」と「承認」の二つは、自立でもなく依存でもない、
「相互依存」を生きる人間に育てることができる。
助けが必要な時には、それを求めることもできるし、手を差し伸べることもできる。
お互いに与えあう関係性を築くことができるのだ。
私たちが求める、自立の理想は、この相互依存なのだ。
今月、旺文社から出版された
「親が知っておきたい大切なこと」シリーズの
『自分で解決できるようになる 友達関係』
は、ボクが監修をさせていただいた。
出版記念講演では、この「自立」をテーマにお話をしていきます。
【書籍監修】旺文社 親が知っておきたい大切な事② | クエスト総合研究所
お楽しみに!
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