29回グロースセミナー3日目その5
朝昼晩お食事は、通称「めしたき隊」というサポーターたちが担当する。
グロース前日に入り、大量の食材を購入し、毎朝4時起きでご飯を炊き、子どもたちの栄養バランスを考えたメニューで用意する。
それだけでなく、最終日に子どもたちを見送った後も残って、後片付けをして翌日に帰京。
おもてだって見えないけれども、グロースを支える最も重要な役割。
さらに、40名近い人数の食事を用意し、おまけに食事の時間が何時になるのかその時にならないとまったく分からない。
7時から、と、ボクが指示しておきながら、子どもたちに何かしらのトラブルが起きれば話し合いが始まり、いつ食事を始められるのかもわからない。
それでいて、いつも子どもたちに出来たてを食べられるように、工夫をするのは並大抵のセンスでは難しい。もちろん、体力も。
今回のめしたき隊長はCHIE。
去年初参加でイントラ見習いをし、今年は自ら志願して食事を担当してくれた。
何人ものサポーターと協力して毎回、おいしい食事を用意してくれた。
3日目の夕食は、子どもたちのカレー作り。
めしたき隊の、ほんの束の間の、気を休められる時間。
士幌高校からロッジに戻り、子どもたちに伝える
「とって来たイモを使って、おいしいカレーを子どもたちだけで、グループごとに作ってくれ!」
スタッフは一切口出ししないし、手伝いもしない。
じっと見守る。
時には危ない包丁使いに、ヒヤヒヤしながら。
リピーターの子どもたちは、このための準備をしてくることも多い。
カレールーに、ルーを粉のように細かくしたり、コーヒーの粉を入れたり、スープカレー(意図していなかったのかもしれないけれど)に仕立てたり、
子どもたちのカレーを食べるのは、本当に楽しみ。
全員で協力し、野菜や肉をカットしたり、煮込んだり。
1時間40分という時間を、子どもたちが設定し、よーいスタート。
初めて包丁を持つ子どももいるけれど、それぞれのグループで皆が何かしらの役割をもって調理している。
結果、1時間39分55秒!!!
大急ぎで席に着き、全員で「イッタダキマース!」を叫んで食べる。
大家族の雰囲気を味わえる、この瞬間が、ボクは大好きだ。
同じ食材を使っていても、グループごとに味が違う。
良く煮込まれているイモもあれば少しかためのイモもある。
濃いカレー、薄めのカレー、どれもこれも絶品だ。
あっという間に鍋の中身は空っぽ。
いつもは、子どもたちからサポーターに、大きな声で「ごちそうさま」を言う。
でも、このときは、ボクたちスタッフ一同が、子どもたちに「ごちそうまでした」を言う。
時間は夜9時を回った。
でも、この3日目には、最後の大冒険が待っている。