「自分軸で生きる」 

誰だって自分を知る旅の途中 だからこそ自分を知ることの楽しさを伝えるブログ

お客様の悩みは何でござんしょ?

たまに本屋を覘く。

小説のコーナーも好きだけれど、ボクは児童文学や絵本が好きでうろうろする。

絵本はいい。

スタンダードなものは、何十年も変わらずにおいてある。

ボクは、子どもの頃に読み聞かせをしてもらった事がなく(これは母親にも確認済み)

目覚めたのは、40過ぎてから。

 

河合隼雄先生の著作に触れて、大人こそファンタジーに触れるべきであるという言葉と共に紹介されていた本を片っ端から読んだ。

ファンタジーは、魔法や現実にありえないようなことばかりで嫌いだという人たちには、「現実はファンタジー以上におかしなことが起きているでしょ」と先生は優しく諭す。

ファンタジーの良さは、目の前の現実に向きあうための様々な視点を提示してくれること。

 

『ふしぎな駄菓子屋●銭天堂●』というおかしな本を読んだ。

 

帯には、「お客様の悩みは何でござんしょ?」と書いてある。

 

悩みだらけのボクは、さっそく読んでみる事に。

かつて、『笑ぅせぇるすまん』という、藤子不二雄Ⓐの漫画があったのを思い出した。

喪黒福造なる不思議な男が登場するブラックユーモアで、テレビアニメのあの声が今でも耳に残っている。

 

『銭天堂』の物語は主人公は女性。

舞台は、駄菓子屋。

悩んでいる時や困っている人の目の前に突然現れる街中の路地。

その奥に見たこともないような駄菓子屋。

訪れると、「猫目アメ」「骨まで愛して・骨形カルシウムラムネ」「ぶるぶる幽霊ゼリー」「コウモリせんべい」などなど。。。

そこには、こい赤紫色の着物を着た、どっしりふとったまるで相撲取りのような迫力のある女主人 紅子。

結い上げている髪は真っ白。

もうこれだけで怪しい。

 

物語は短編で、水が怖くて泳げない女の子や、おにいちゃんにいつも怖い話をされて泣いている妹が、この紅子に勧められて買った駄菓子で救われる。

楽して有名になりたい美容師や、子育てが大嫌いなシングルマザー、駄菓子を万引きした男の子は、痛い目にあわされる。

 

現実世界には、こんな魔法の駄菓子は売ってはいないし、紅子もいないのだけれども、心の世界には、魔法使いや奇跡を起こすパワーがちゃんと存在している。

 

悩みはその人を成長させるために現れる。

ただ悩まされているわけじゃない。

人間関係の悩み、仕事の悩み、家族の悩み、経済や健康の悩み、、、、

悩んでいる時は確かに苦しいけれど、悩みの原因探しを外から、内に切り替えると未来が開けていく。

簡単ではないけれど、だからこそ自己分析はとても大切。

 

紅子さんは、お客が上手くお菓子を使えると、すぐわかる。

小瓶の中にもらったお金を入れておくと、それが金色の招き猫に変わる。

でも、上手く使えないと真っ黒な影になる。

上手く使えたお客は、みな逃げずに向き合っていた。

きちんと自分に向き合っていくとボクたちの心の中にも、金色の招き猫が生まれるんです。

 

さて、今日のあなたの悩みはなんでござんしょ?

人のせいにしないで、ちゃんと自分に向き合ってみましょうね。