「自分軸で生きる」 

誰だって自分を知る旅の途中 だからこそ自分を知ることの楽しさを伝えるブログ

昭和の女傑 逝く

今朝、訃報が届いた。

 

松田妙子さん逝去。

 

エストの認定資格を発行してくださっている、一般財団法人生涯学習開発財団 理事長です。

 

91歳でした。

 

昭和の女傑と言われるゆえんは、松田さんの経歴でよくわかる。

 

26歳で南カリフォルニア大学に留学しマスコミュニケーションを学ぶ。

 

この年は、ボクが生まれた年。

昭和28年(1953年)。

 

その当時に、女性が留学するなんてことがあったことにまず驚いてしまう。

 

その後、NBCテレビに自らを売り込んで入社して、日本人初女性プロデューサーとして活躍する。

 

日本に帰国後は、数々の事業を起こすだけでなく、企業を育てたり、人を育てる活動をする。

 

その一環として設立された、生涯学習開発財団が、クエストに目を止めてくださったわけです。

 

アートセラピー?いいじゃないですか。頑張っておやんなさい」

「老い、なていう言葉は大嫌い。私はエイジレスよ」

「ストレス!何が悪いの?ストレスがあるから力になるんでしょう?」

 

何度かお会いするたびに大きな刺激を受けていました。

 

昨年お会いした時にはお元気でしたが、まさか。

 

昨年卒寿のお祝いパーティの席で紹介されたスライドショーをぜひご覧ください。

www.youtube.com

 

約5分半ですが、ぜひ時間のある時に見てください。

理事長の、素晴らしい経歴とともに、後半4分以降に!!!

 

エストの卒業生は、みな、松田妙子さんの名入りの認定証をお持ちだと思います。

 

心より、ご冥福をお祈りします。

 

合掌

知らなかったこの作家 原田マハ

この作家のプロフィールを読むと、「度胸」と言う言葉が頻繁に出てくる。

 

開館準備をしていた美術館に飛び込みで「雇ってください」と言い、その度胸を買われて、就職。

飛び込みのプレゼンで、その度胸を買われて有名商社に中途入社。

世界中のコレクターやギャラリスト、美術館との交渉も、語学力はなくとも度胸だけでなんとか奇跡的にやり抜く。

などなど

 

原田マハと言う作家をご存知だろうか。

 

初めて手にするこの作家の本だったけれど、冒頭の第1章からその物語の世界に引き込まれてしまった。

 

『楽園のカンヴァス』

アンリ・ルソーの「夢」と言う絵画を巡ってのミステリアスな、ワクワクする物語り。

 

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原田マハ キュレーターでもある彼女の視点が魅力。

 

成長と共にいつのまにか、アートは「観るもの」になってしまいがちだ。

美術館で、有名絵画展に出かけ、絵を見る前に解説を音声で聞いたり、説明文を読んでしまう。

 

あー、これがあのゆうめいなさくひんなんだ、どれどれ、、、、なるほど、、、って感じ。

 

かの岡本太郎画伯は、「美術館では、絵だけを見て歩き、心に響いた絵があったら、その前で立ち止まり、それをじっくりと味わえばいい」と言う。

 

『楽園のカンヴァス』を読みながら、著名な絵画がいくつも紹介されていく。

どうしてもその絵を観たくなる。

 

「あれ、どんな絵だったかなぁ」と思い出せないまま、「あっ、こういう時にはGoogle先生!」

 

見事です。

この『楽園のカンヴァス』に登場する有名絵画がまとめて紹介されていた。

小さな画面ではあるけれど、やはりすぐれた作品には言いようのない魅力がある。

 

その絵を見ては、小説に戻り、読んではまた絵を眺める。

 

それを繰り返していくうちに、ぐいぐいとアンリ・ルソーの「夢」の中に引き込まれていく。

 

専門家ではないから、本当にそうだったのか!と思わせるような物語。

 

これは、面白い本だった。

読み終えてしまうのが惜しい作品だった。

 

前回本屋さんで購入したカズオ・イシグロの『浮世の画家』と、この原田マハの『楽園のカンヴァス』

 

どちらも大当たりだった。

 

物語は、ボクの想像力を高めてくれる。

そして、ボクの物語の世界が広がる。

 

だから、イマジネーションは、クリエイティビティにつながっていく。

 

 

 

変わりたい!願望

春が近づくと、なんとなく世の中がそわそわしてくる。

 

日本に限ったことではないかもしれないけれど、ボクたち日本人は特に春は特別な意味を持っている。

 

入学式を毎年のように繰り返し、新しく何かが始まる、ということが深層意識に植え込まれているのだろうか。

 

特に、今年は特別。

 

元号が変わる。

ひとつの時代を長く象徴する呼び名がもうすぐ生まれる。

言い換えれば、一つの時代が終わるのである。

 

平成が終わり、新しい天皇が生まれ、新しい元号が始まる。

関心がない人でも間違いなく日常になにかしらの影響があるはずだ。

 

新しい時代の始まりは、勝手に始まってしまうわけだから、自分にはどうすることもできないところが多い。

でも、「新しい自分」の始まりは、自分次第である。

 

人間は、深層意識の中に「変わりたい!願望」があるという。

安定した今を望む半面、心のどこかで、今以上の自分を思い描く。

不安定を心のどこかで臨んでいるともいえる。

難しい言い方をすれば、自我意識は安定を望み、無意識は成長と変化を望んでいるということ。

 

自我の言うとおりにしていれば、何とか現状は維持できるしある程度の満足はできる。

無意識の言うことを聴くと、「そんなことは無理だ」と答えてしまう。

 

人生を振り返ってきて、何千回、何万回「そんなことは無理だ、できない」と自分に言ってきたことだろう。

 

でも、振り返ってみると、人生の節目節目で「心の声」に従ってきた。

「変わりたい!」という声を無視できなかったのかもしれない。

 

子どもの頃は、毎日にわくわくしていた。

あの頃は、いつも新しいことばかりだった。

 

新しい時代が始まる

もしかすると、大人になってからの人生ではそう何度もないほどの機会が目の前に迫っているのかもしれない。

今「始める」ことで、未来が創られていく。

 

だから、新しい自分を始めることができる。

 

一歩、前へ!

日曜日の散歩

日曜日がお休みと言う日常を、30年来ほとんど持たなかった。

 

週末に講座があったり、イベントがあるから。

 

だから、娘たちが幼いころには、一緒にいてあげる時間がなくて、今となってはどうにもならないことではあるけれど、申し訳ない気持ちである。

 

最近、仕事のペースが変わり、ときおり日曜日にプライベートの用事を入れる時間ができた。

 

昨日の日曜日もそう。

 

マンションのリノベーション、と言うものに興味があり、その説明会があるというので青山まで出かけてきた。

が、その日のテーマが違っていて、ほしい情報が得られないことがわかり、断念。

 

時間が余ってしまい、せっかく青山まで来たのだから、恵比寿までぶらぶらお散歩しようということに。

 

いつもは車を走らせてしまうが、街並みをゆっくりと楽しめた。

青山なのに、こんな昭和の家もある、とか、

青山でもさすがにこんなところには住みたくないなぁとか、

こんなお屋敷に住んでいるのは、どんな奴なんだ、とか

路地裏もあるんだとか、

これはうまそうなケーキ屋だとか、

無責任極まりない発言を繰り返しながら歩いた。

 

ぶらぶらと歩いているうちに、そういえば先日テレビで紹介されていた美術館が近くにあることを思い出す。

 

おまけに、その作品にあった和菓子まで頂けるという。

 

たどり着いたのが、山種美術館

国内でも珍しい、日本画だけを展示する美術館。

この日は始まったばかりの奥村土牛さんの生誕130年の展示だった。

http://www.yamatane-museum.jp/exh/2019/togyu.html

 

そういえば、昨年この美術館に縁のある方から、この桜の絵が入ったカレンダーをいただいていたことを思い出しました。

 

美術館を作った山崎種二氏が、若いころから支援していた画家らしい。

 

土牛さんの名前は、美術好きの父親から聞いたことがあった。

 

作品をじっくりと見るのは初めてである。

 

「絵にはその人柄が出る」と、師と仰ぐ小林古径から言われていたそうだ。

どれを見ても優しい気持ちになる作品ばかりだった。

きっと、やさしさにあふれた方だったのではないかと、勝手に思い描いてしまう。

 

土牛は100歳を超えても、描くエネルギーを失わずにいたという。

 

セザンヌに影響を受け、自由に描けるようになったと解説にあった。

93歳で描いた「海」の絵を描いている最中のそんな様子がうかがえる写真があった。

解説にも、「楽しく描けた」なんて書いてある。

 

理想ですね。

そんなふうに人生を喜びに満ちて生きていられるのは。

 

帰り際に館内のカフェで、作品にちなんだ名前の和菓子とお茶をいただいた。

 

美術館は疲れる、、、と言う印象が強かったが、この日ばかりは、やさしい気持ちで鑑賞を終えることができた。

 

日曜日の散歩。

なかなかいいものでした。

 

 

 

 

『浮世の画家』カズオ・イシグロ

ネットで本を探すことに慣れてしまったけれど、たまには本屋さんをぶらつくのもいい。

 

実際に手に取って、パラパラとページをめくり、あまり内容を吟味しないままその感覚を頼りに購入する。

 

活字を読むのは、ボクにとって日常であり、物語の世界に入ることで、自分の中の知性や非現実世界への扉が開かれていくような感じが大好きだ。

 

数冊を購入し、その中の一冊が、この『浮世の画家

 

カズオ・イシグロは、一昨年のノーベル文学賞を受賞した英国の作家。

英国に国籍を移した日本人である。

 

忘れられた巨人』については、以前ブログに書いた気がする。

 

ファンタジー好きなボクとしては満足のいく作品で、なんとなくこの『浮世の画家』もそんな期待をうっすらと抱いていた。

 

カズオ・イシグロは、時代も場所もあいまいな作品をが多いとされているけれど、これは日本の戦前戦後を生きた画家の話だった。

 

戦争中に翻弄された消し去れない過去の自分と、それでも新しい時代迎え生きていく引退した画家の物語は、妙に自分を重ねてしまう。

 

現実をどの様に受け止めるかによって、その現実が美しくもあり醜くくもある。

 

それをどう表現するのかは、完全に芸術家にゆだねられている。

 

でもこれは芸術家だけではないだろう。

 

日常を生きる我々にとっても、今目の前の現実を、たとえ隣人と同じ現実を見ていたとしても、その現実の価値は、それぞれ違うのだ。

 

言い換えれば、自分自身の過去についても、その過去を光の中のものとするか闇の中に置いてしまうのかは、自分次第なのである。

 

ボクにとっては、少々深い主題の作品だったから(3月に渡辺謙主演でドラマになるらしい)、次に手に取る作品は、軽いものにしてみようと思う。

 

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カズオ・イシグロ

 

親ゼミ「承認」

昨年始めた月1回の「親ゼミ」

 

回を重ねて4回目となりました。

 

今回のテーマは「承認」

 

子どもを承認することは、褒めることとは少し違います。

 

エストや子ども未来のクラスでは、この「承認」をとても大切にしています。

 

人を認めること、もちろん自分のことも認め、お互いを認め合う関係を創りだしていきます。

 

親子の場合は特に。

 

褒められると、脳内の快感物質ドーパミンがあふれ出ます。

 

その快感をまた味わいたくて、同じ行動をする。

それをすれば褒めてもらえる、わけです。

子どもをしつけるためにも、世の中の常識を教える上でも「ほめる」ことは大事です。

 

「ほめて育てろ」とよく言われるゆえんです。

 

でも、褒めてもらうための行動の基準は自分ではなく、お母さんの目や先生の評価になってしまいます。

最初は、ただしたくてしていたことなのに、褒められたくてすることになる子どももいます。

 

自分軸を作って自立させたいのに、それでは逆行してしまいますね。

 

そこで、この「承認」です。

 

えらかったね、

がんばったね、

すごいね、

さすがだね

などなど、評価するほめ言葉はいくらでもあります。

 

その子が、自分の内側に自分を信じる力を育て、お母さんからのたっぷりの愛情の貯金をしていくための言葉、それが承認です。

 

昨日は参加したお母さんたちに宿題を出しました。

・夕飯の食卓で学んだ承認の言葉を伝えてみること。

・子どもが寝る前に、承認の言葉を伝えてあげること。

 

お母さんたち、普段の言葉がけについて反省モードの方もいたけど、子どもを愛する気持ちには変わらない。

だから、きっと、たどたどしく伝えていたことでしょうね。

そのことを思い浮かべるだけで、笑みが浮かんできてしまいます。

 

昨晩は、たくさんの愛と平和が創り出されていたはずです。

 

次回は、「描く力~ビジョン」です。

https://questnet.co.jp/quest-self/self-method-oya/14686/

 

 

 

 

 

おやおや、親ってなに?

「二度とやるんじゃねーぞ、わかったか。今度やったら、もう捨てるからな」

 

これ、つい最近街中で聞いた子どもに怒鳴る親の声。

激しい言葉で驚きました。

 

おかあさんが、おそらく4‐5歳の子どもに向かって怒鳴ってたんです。

 

その男の子は、片手に、おもちゃの電車を持っていました。

 

おかあさんに、その電車を取り上げられ、この言葉で怒鳴られて、烈火のごとく泣き叫んでました。

 

何があったのかはわかりません。

 

ボクは、その脇を歩いて通り抜けたのですが、ずいぶん離れてもまだその子の泣き声は聞こえていました。

 

親も、大変です。

 

わかります。

 

ボクも何度もまだ幼い娘たちを、まるで脅すように怒鳴ったことが。

 

その時その時で、親も精いっぱいです。

 

ホントは怒りたくないんです。

 

でも、でも、誰も幸せじゃないですよね。

 

ボクもなんだか切ない気持ちでした。

 

ほんのちょっと、ボクたち親に余裕があれば、

ほんのちょっと、大目に見てあげることができたら、

ほんのちょっと、しゃがんで、子どもと目をあわせて話せたら、

 

ほんのちょっと、自分も小さいころおんなじだったことを思い出すことができたら、、、、

 

昨年から、「親ゼミ」やってます。

柴崎嘉寿隆の親ゼミナール | クエスト総合研究所

 

熱心なお母さんや、関心のある人たちが学びに来てくれています。

 

子どもの幸せを願うのは誰もが同じ。

 

子どものために勉強するんですから、頭が下がります。

 

子どもが幸せな人生を生きてもらいたくて学ぶんです。

 

でも、結局、子どものためと言いながら、親が、親自身が自分を成長させる学びをしていることが一番大事なんですよ、

 

子どもの成長を願う前に、自分も成長させなきゃ、、、ですよね。

 

親ゼミ、月に一回いろんなテーマでやっています。

 

エストのスタジオですから、定員はありますが、数席はまだ空いてます。

 

2019年の1月のテーマは、「承認」

 

自分を認め、お互いを認め合う心を育てるための言葉がけをしっかり学んでいただきます。

 

一番大事なテーマと言えるかもしれない。

 

今回は、終了後、「教育としてのアートセラピー」に関心のある方に向けた説明会も予定しています。

 

1月23日(水)です。

 

お待ちしていますね。

 

申し込みはこちら。

https://questnet.co.jp/request/